自分は「少し先を行けている」日経には興味深いアンケート結果が載っていた。
日経が主要企業の社長143社に実施した調査で、AIのリスキリング(学び直し)を社員に提供していると答えた企業が83.3%に達したという。検討中が13.8%。主要企業のほぼ全社が、社員にAIを学ばせることを経営課題として捉えているということだ。当然、主要企業でない中小企業では、実態が異なると思われます。
言われる前に自分で動いたよ
「時代に置いていかれる」焦り
私がAIを使い始めたのは会社の指示からではない。定年まであと十数年という現実を前に、「このまま会社任せでいいのか」という焦りのようなものがきっかけだった。
私の勤める会社では、一定の管理職以上に日経新聞の購読が強く推奨されている。そして、最初はクロっち(Claude)を使い始め、毎朝の日経を読み込ませて要約してもらうことから始めた。最初は「AIってこういう使い方をするのか」という程度の感覚だったが、続けるうちに記事の選び方、問いの立て方、自分の考えの整理の仕方が変わっていった。
今では朝の日経要約からブログ記事の構成まで、クロっちと一緒に作り上げるワークフローが定着している。会社のプログラムを待っていたら、こうはならなかったと思う。
「前提インフラ」という言葉が刺さった
アンケートの中で味の素の中村茂雄社長がこう答えていた。「AIは情報収集からルーティン業務の効率化まで成果を出すための前提インフラになりつつある」
パソコンが普及した時代と同じ構図
この「前提インフラ」という表現が、個人的にとても腑に落ちた。
かつてパソコンやメールが「使える人だけが使うツール」から「使えないと仕事にならないインフラ」へと変わっていったように、AIも同じ道をたどっている。パソコンが普及した時代、早く使い始めた人が有利だったように、AIも今が「先行者として身につける」タイミングなのだと思う。
人事評価にも組み込まれ始めた
静かに近づく「AI評価」の時代
アンケートではAIの活用状況を人事評価の考課指標に設定している企業が5.9%、検討中を含めると2割弱という結果だった。
コンサルティング大手のKPMGはすでに社員のAI活用状況を2026年の業績評価に反映するという。日本でも今後同様の流れが広がる可能性が高い。「AIを使えるかどうか」が評価に直結する時代が、静かに近づいている。
会社に教えてもらう前に、自分で学ぶ意味
「自分なりの活用法」という武器
83.3%の企業がAIリスキリングを提供しているということは、裏を返せば「会社が教えてくれるのをただ待っている人」が大多数だということでもある。
もちろん会社のリスキリングプログラムを活用することは大切だ。ただ、自分で試行錯誤しながら身につけた使い方と、研修で教わった使い方には大きな差がある。前者には「自分なりの活用法」という武器が生まれる。
私の場合、投資判断の壁打ち相手として、ブログ運営の相棒として、クロっちはすでに日常の一部になっている。これは会社のプログラムでは生まれなかったものだと思う。
定年前だからこそ、今が一番いいタイミング
40代・50代のサラリーマンにとって、AIリスキリングは「若者向けの話」ではない。むしろ定年前の10〜20年をどう充実させるかを考えるなら、今が一番動くべきタイミングだと思っている。
難しいことは何もない。まず一つのAIツールを選んで、毎日の仕事や生活の中で使ってみる。それだけでいい。
私はクロっちとの毎朝の日経読みから始めた。あなたはどこから始めるだろうか。
