「iDeCoを積み増せるようになるらしい」——そう聞いても、ピンと来なかった人は多いと思います。でも今回の制度改正案は、50代サラリーマンの老後に直接、かつ大きく関係します。1974年生まれの氷河期世代では、公的年金が月10万円未満になるリスクが39.1%。対岸の火事ではありません。今日の日経からはこの記事をクロっちと読み込んで分析、解説します。
その「余力ない」は本当?実態を示す3つの数字
SNSでは「投資に回すお金はない」「公的年金が足りないから言っているんだ」という声が相次ぎました。その気持ちはわからないでもない。でも数字を正確に把握すると少し違う景色が見えてきます。
①氷河期世代の4割近くが、年金「月10万円未満」のリスクを抱える
2024年の年金財政検証によると、1974年生まれでは公的年金の給付が月10万円未満になる割合が39.1%にのぼるという。都市部での一人暮らしの生活費を考えれば、毎月数万円単位の不足が生まれる計算です。「なんとかなる」では済まない規模の話です。
②40代単身者の金融資産、中央値はたった47万円
金融広報中央委員会の2023年データでは、40代単身者の金融資産の平均は559万円ですが、中央値はわずか47万円にとどまります。平均は一部の高資産層が数字を引き上げているにすぎません。実態として、多くの人は「老後の備えがほとんどない」状況が続いています。
③78〜82年生まれ男性は40代前半でようやく正規雇用率が9割を超えた
長年、非正規として働いてきた層が、ようやく暮らしを安定させ始めたタイミングです。だからこそ今、「遅れを取り戻す仕組み」が動き始めているのです。「どうせ自分には関係ない」と片づけてしまうのは早計です。
すぐ動け!今すぐできる3つのステップ
制度がどう決まるかはこれからですが、待ちの姿勢でいる間にも動ける人は動いています。今の状況を整理するだけでも、大きな差がつきますよ。
Step1:「ねんきんネット」で自分の年金見込み額を確認する
まず現実を数字で把握して受け入れることが最優先です。「ねんきんネット」で、今の収入のまま65歳まで働き続けた場合の年金見込み額が確認できます。「漠然とした不安」を「具体的な不足額」に変換する作業です。ここから始めない限り、何をどれだけ積み立てればいいかは永遠にわかりません。
Step2:今のiDeCo掛け金の上限を調べる
勤め先に企業型DC(確定拠出年金)があるかどうか、退職金制度の有無によって、掛け金の上限額は大きく変わります。「会社員だから少ない」と思い込んでいる人も多いのですが、まずは加入している金融機関か、iDeCo公式サイトで上限を確認してください。知らないまま損をしているケースは珍しくありません。
Step3:キャッチアップ枠が法制化されたとき、即動ける口座を先に準備する
今回の拡充案はまだ提言段階です。ただし法制化されれば50歳以上に追加の非課税枠が生まれます。そのときに即座に動けるよう、iDeCo口座の開設だけ先に済ませておくのが賢いやり方です。口座開設には数週間かかる場合もあります。
- 「50代から始めても遅い」→ 60歳まで積立すれば10年以上の非課税運用が使えます
- 「どうせ富裕層だけが得をする制度だ」→ 非正規から正規になった今がむしろ活用のタイミングです
- 「公的年金があれば何とかなる」→ 月10万円未満リスクが4割に迫る現実は直視してください
思い当たりませんか?
iDeCo満10年「複利のパワー」を体感中
10年前になんとなく目にした年金見込み額、そして退職金も無い。老後への漠然とした不安から、45歳の時にiDeCoで毎月23,000円の積み立てを始めました。「全額所得控除になるなら、それだけでオイシイじゃん!」そんなノリでした(笑)当初は投資に対する知識がほとんど無かった中で、早めにiDeCoに巡り会えた事はラッキーでした。今月でちょうど丸10年、276万円の積立額に対して評価額は560万円になっています。これが複利のチカラか…節目を迎えてしみじみと体感しています。
老後の備えを「今日できること」に変えるなら、まず「ねんきんネット」で自分の年金見込み額を調べることから始めてみてください。数字を見た瞬間、何かが変わります。「まだ大丈夫」という感覚こそが、積み立てを先送りにさせてきた最大の原因かもしれません。
