「iDeCoの手数料が上がるなら、やめた方がいいのでは?」そんなことを考える50代サラリーマンもいるかもしれません。
この記事では、以下の3点をわかりやすく解説します。
- 手数料値上げで実際に負担がどのくらい増えるか
- それでもiDeCoを続けるメリットがある理由
- 2027年以降の掛金見直しをどう考えるべきか
結論から言うと、手数料増だけを理由にiDeCoをやめる必要性は低いです。ただし、iDeCoは途中で引き出せないため、節税効果だけでなく、退職時期や生活資金も含めて判断しましょう。
年180円。これが2027年1月から増えるiDeCo手数料の上乗せ額です。15年ぶりの改定が報じられ、「iDeCoをやめようか」検討した人も少なからずいるはず。でも待ってください。手数料が年180円上がる一方で、iDeCoの節税効果は年数万円単位です。やめる理由が見当たらない——どころか、2027年1月には掛け金の上限が大幅に増える絶好のタイミングが来ます。
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それでもiDeCoを続けるべき——3つの理由
理由① 年180円の手数料増加に対して、節税効果は年数万円単位
2027年1月から、国民年金基金連合会への納付手数料が月105円→120円に変わります。年間で増える負担は180円です。一方、iDeCoの節税効果はどうか。年収600万円の会社員が月2.3万円(年27.6万円)積み立てると、所得税・住民税合わせて年間約8.3万円の節税になります。手数料の増加分(180円)と節税額(8.3万円)——この差は約460倍。「手数料が上がったからやめる」は、100円節約するために1万円を捨てる判断です。
理由② iDeCoは「三段階非課税」——これに代わる制度はない
iDeCoの税制優遇は①積み立て時・②運用中・③受け取り時の三段階すべてで効く唯一の制度です。①掛け金は全額所得控除、②運用益は非課税(通常口座なら利益の約20%が課税)、③受け取り時は退職所得控除または公的年金等控除が使えます。NISAは運用益の非課税(②のみ)ですが、iDeCoは所得控除(①)まで使えるため、税率が高いほどメリットが大きくなります。
理由③ 2027年1月に掛け金上限が大幅増——手数料値上げと同時に拡大のチャンス
手数料改定と同じ2027年1月から、一般的なサラリーマンのiDeCo掛け金上限が月23,000円→62,000円(企業型DCや確定給付年金の状況により異なる)に増額されます。手数料が上がるタイミングと節税チャンスが広がるタイミングが重なっている——これはやめるどころか、むしろ増額を検討すべき時期です。
iDeCo手数料改定対策3ステップ
Step1:年単位拠出なら「毎月拠出」への切り替えを検討する
現在「年1回まとめて拠出」する年単位拠出を使っている人(約4万人)は注意が必要です。2027年以降は年単位拠出でも「12カ月分=年1,440円」を一括支払いする形に変わります。毎月拠出への切り替えは証券会社のWebサイトから手続きでき、手数料の仕組みも変わりません。まず自分がどちらの拠出方法になっているか確認しましょう。
Step2:2027年1月の掛け金上限増額に向けて拠出額を見直す
上限が62,000円に引き上がっても、いきなり満額にする必要はありません。まず「今の月2.3万円のまま継続」か「一部増額」かを手取りに応じて判断する。年収・税率・退職金の有無によって最適額が変わるため、確認には証券会社の試算ツール(無料)が便利です。「ねんきんネット」でiDeCoの運用状況も確認しておきましょう。
Step3:受け取り時の「出口戦略」を50代のうちに設計する
iDeCoは受け取り方で税負担が大きく変わります。退職金と同じ年に一時金で受け取ると退職所得控除が圧迫されることも。退職予定が5〜10年後なら、今のうちに「一時金か年金か、受け取り開始時期はいつか」を仮設計しておくことで、受け取り時の税負担を最小化できます。
思い当たったら要注意!iDeCo加入者がやりがちな失敗3選
- 「手数料が上がったからやめようか」と感情的に判断する——年180円の増加を理由にやめると、年数万円の節税チャンスをすべて失います。数字で比較すれば答えは明白です
- 「掛け金は最初に設定したままでいい」と放置している——2027年1月に上限が大幅増額されます。生活費に余裕があるなら増額を検討するタイミングです。放置は機会損失です
- 「退職時に受け取れればいい」と出口を考えていない——退職金との受け取り時期が重なると課税が想定外に増えるケースがあります。退職の5年前には受け取り方針を決めておくのが安全です
トイプー先生の資産形成実践記
かくいう私は、勤めている会社に退職金制度がないこともあり、早々にiDeCoでの投資を決断しました。毎月23,000円を10年間オルカン系の投信で運用しています。この期間の運用実績が好調だったこともあって、今年に入って投資額(約270万円)を初めて評価額が上回りました。一時は元本割れする様な時期もありましたが…本当にやっておいて良かったなと実感しています。節税額も含めるとさらに収益額は上がります。来年の上限額改定後は運用実績を見ながら退職所得控除を計算に入れつつ、投資額を増減させていく予定です。あまり増えすぎると「出口」での税金が増えてしまうので、悩ましいところですが、基本的には節税も生かしつつ、出口での税金も最小限に抑える運用を行なっていきます。
年180円の手数料増加が、年数万円の節税メリットを消し去ることはありません。むしろ2027年は掛け金上限の拡大と重なる見直しの好機です。2027年1月の掛け金上限増額とiDeCo手数料値上げに向けて、自分の年収と税率でiDeCoの節税額を計算してみましょう。「これだけ節税できているのか」と実感した瞬間、手数料への不安は消えます。証券会社の節税シミュレーターに数字を入力するだけ。5分もかかりません。
ここまで読んで「iDeCoの活用法をもっと深く知りたい」方は、以下の記事もあわせて読んでみてください。
・iDeCoの基本から確認し直したい方はこちら
→ iDeCoは50代から始めても遅くない?メリット・デメリットと始め方を解説
・掛金の上限額が変わったか確認したい方はこちら
→ 50代のiDeCo掛金が大幅拡充|増額で得する節税額と活用戦略

