今朝の日経新聞に、思わず二度見してしまう数字が載っていました。「物価調整後の実質退職金が、過去20年で3割近く目減りしている」というデータです。
三井住友信託銀行の調査によると、2003年を100とした実質退職給付は、2023年にはなんと76にまで落ちているというのです。
「うちの会社はちゃんと退職金を払ってくれるはず」——そう思いたい気持ちはよくわかります。私もその一人です。でもこれは、特定の会社だけの話ではありません。インフレと低金利の長期化が、日本中の退職金制度をじわじわと蝕んでいるのです。今日は、この問題が私たちの老後にとって何を意味するのか、クロっちと一緒に考えてみました。
なぜ退職金が目減りするのか
退職金が「実質的に減る」には、2つのルートがあります。
一つ目は、会社が名目の退職金額そのものを下げるケース。リーマンショック後の2008年以降、運用難と低金利に苦しんだ企業年金が相次いで給付額を減額しました。これが20年で3割目減りの大きな原因のひとつです。
二つ目は、名目の金額は変わらなくても、物価が上がることで「実質的な価値が下がる」ケース。2022年以降のインフレがここに当たります。退職金が2,000万円だとしても、物価が3割上がれば、その購買力は実質1,540万円分しかないことになります。
つまり今の50代サラリーマンが直面しているのは、この「ダブルパンチ」なんです。
「50代氷河期世代」が受ける打撃
特に深刻なのが、1990年代後半から2000年代初頭に就職した「50代の氷河期世代」です。不安定な就労環境・賃金の低迷という厳しい時代を経てきたこの世代は、今まさに退職金受け取りのタイミングが近づいています。
さらに追い打ちをかけるのが、企業の対応の遅さです。三菱UFJ信託銀行の調査では、退職給付の水準引き上げを「検討中」と答えた企業はわずか34%。「検討していない」44%、「未定」20%と、消極的な姿勢が目立ちます。
労組側も春闘で賃上げ率、3年連続5%超えを維持していますが、企業年金の改善を労使交渉で取り上げた労組はわずか22%。賃上げ優先で、年金は後回しになっているのが現実です。
会社任せにしない、「自助」の時代へ
重要なのは、「会社の退職金を当てにしすぎない」という意識の転換です。
政府もすでに方向性を示しています。NISAとiDeCoを活用した「個人の投資による老後の備え」を積極的に促進しているのです。4月にはDC(確定拠出年金)のマッチング拠出の上限も撤廃され、節税しながら老後資金を積み増しやすくなりました。
50代からでも、やれることはたくさんあります。たとえばiDeCoは掛け金が全額所得控除になるため、年収600万円の方なら月2万円の拠出で年間約6万円の節税効果が生まれます。NISAと組み合わせれば、複利の力でさらに資産を育てることができます。
「もう遅い」と諦めないでください。60歳まで10年、65歳まで15年——この時間は、正しく使えば十分に強力な武器になります。
私はどうしたか?
私自身は、iDeCo+新NISAでコツコツやっていて、オルカン75%とNASDAQ100を20%、ゴールド5%です。
50代からでも最低15年運用するつもりで積み立てを始め、今のところ市場が良かったこともあって、順調に資産形成出来ております。多少の下落耐性はついてきているので、これからも「煽り」に惑わされることなく、あと10年はこのまま積み立てを継続していきます
まとめ:50代サラリーマンの心構えとすべきこと
- 退職金は「もらえて当然」ではなく「実質3割目減り済み」と認識し、老後設計を立て直す
- iDeCoとNISAを最大限に活用し、「自分の退職金」を自分で積み上げる
- DC加入者は今すぐ運用商品を確認し、元本確保型から低コストインデックスファンドへの切り替えを検討する
- 会社任せ・国任せにせず、投資リテラシーを高めて「老後格差」を自ら防ぐ
- 10〜15年という時間を味方につけ、複利の力で着実に資産を育てていく
